2007年09月28日

「お大師さん」について

私が小さいころ、「お大師さん」という行事がありました。
今回はそれについてお話しようと思います。

お大師さんは毎年4月の終わりごろ、子供たちが地域の家々を、お菓子をもらいに巡り歩く行事です。
子供は、「南無大師遍照金剛」(「南無大師遍上金剛」だったかもしれません)と書いたお札を持って家々を歩きます。
家では、お菓子を小皿に小分けして用意しておき、縁側や玄関などにセッティングして子供たちを待ちます。子供がお札をもってやってくると、お札一枚の代わりにお菓子を一皿、子供がもっている袋に入れてあげます。
お札以外では、お米をひとつまみ、でもOKです。
お札は一人20枚くらい用意していたと思います。

どの家がお菓子を用意して待っているかは、ちゃんと目印があり、赤い布切れをかざしている家がそうです。
旗といえるほど大きなものではなく、小さな赤い布切れを竹か何かの棒の先に結ぶという簡単なものだったと記憶しています。
赤い布がなかったのか、みかんを入れる赤い網をかざしていた家もあったと思います。
子供たちは赤い布を目印に、家々を訪ね歩きます。

町内には「区」という自治会単位があり、区はさらに「班」に分かれています。班の中で、お菓子を用意する家を順繰りまわしていました。
班は数軒の家で構成されていますので、何年かに一度はお大師さんでお菓子を準備する側になります。
お菓子代は自治会で出してもらえますが、なにせもてなす側なので、いろいろ大変です。
大抵はその家のおばあさん、お母さんが世話をやいてくださいますが、ご近所さんで手伝い、助け合ってこなしていたと思います。

ところで、お大師さんは 行事の名称でもあるのですが、物体としも存在します。
古くて小さな仏像なのですが、色も塗られていて、お大師さんでお菓子を用意する家に1年間居を構えます。
お大師さんが終わると、次の家に渡されます。
家では、仏壇か何かに置かれて、大切に保管されます。

さて、お菓子の内容ですが、ケーキとか生菓子の類ではなく、乾いたお菓子でした。
基本的に洋風のお菓子はあまりありません。
私が覚えているのは、
砂糖を固めたようなお菓子(名前は忘れました)、ピンクの麩菓子、瓦せんべいのようなもの、などでした。
カールはありましたが、ポテトチップスはなかったと思います。
チョコレートなども多分ありませんでした。
基本的に、乾物で、小さな袋に個別包装しているなど、袋にごちゃまぜに入れても大丈夫なお菓子だったと思います。

さすがに中学生になると参加せず、大体小学生を対象とした行事でした。
平日に重なった場合は、小学校を午後から休みにしてお大師さんをやっていましたから、かなり地域に根付いた行事だったと思います。

お大師さんは、世話を焼く人も少なく、なかなか存続が難しくなり、最近ではやっていないようです。
縁側のある家、玄関の広い家も、最近は少なく、ハード的も難しいですね。
でも、子供にとっては結構楽しみで、私自身もこうして思い出に残っているくらいですので、いいものなんじゃないかなあと思います。

これを読んでいる皆様には、こうした“ちょっと変わった地域の風習”など、ございますか?


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2007年08月29日

お盆について

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お盆の間、休暇をいただき、地元に帰省しました。
というわけで、お盆についてです。

私の地元でのお盆の話ですので、地方によって違いはあろうかと思います。

まず、8月初旬にお坊様が家にいらっしゃり、お経を唱えます。
留守にしている場合は家の外からお経をあげます。その場合、「お経をあげました」という内容の不在メモ(?)を置いていってくださいます。

それから、先祖の霊をお迎えする準備をします。
仏壇を掃除して飾りつけ、盆提燈を出し、果物や菓子などをお供えし、なすびで馬をつくります。
馬は2つ作ります。来る用と帰る用らしいです。

そして、お墓を掃除します。
お墓と仏壇用のお花を準備しておきます。
この時期は暑くてお花がすぐ枯れてしまうので、けっこうな量を準備します(お盆は毎日墓に参る)。
また、お盆の間だけは、お墓の両隣にある灯篭に明かりをともすので、
灯篭用のろうそくも準備しておきます。
うちは“コップろうそく”というのを使っています。

先祖の霊は、13日にやってきて、16日に帰っていきます。
13日には“迎え団子”、16日には“送り団子”を作ります。
団子は、“ナンメの白玉だんごの粉”というのを使って作ります。
地元では有名なのですが、神戸のスーパーでは見かけたことはありません。
作り方は簡単で、粉を水でといて混ぜ、耳たぶくらいのやわらかさになったら適当にまるめ、
沸騰したお湯に入れ、浮き上がってきたらゆであがりのサイン、黄粉をまぶせたら完成です。

味は、ちょっと微妙…です。

霊は13日のお昼過ぎにやってくるらしいので(理由は不明)、13日の午前中にお供えできればセーフです。

うちでは迎え火、送り火は省略しています。

それから、13、14、15日は毎日、仏壇に御膳をします。
仏様の食べ物も決まっていて、盆は、
ごはん、味噌汁、煮物、漬物、酢物の5品です。
お盆は豪華版です。彼岸などは、もうちょっと質素です。

うちの墓参りタイムは基本的に夕方です。
朝でも昼でも良いのですが、朝は眠たいし、昼は暑いので、やっぱり夕方に来ている人が一番多いです。
家の墓を参り、それから、縁のある墓を参ります。
その後、お寺の中にある小さい仏壇(?)にも御参りします。
お寺の空間は、趣があり、とても好きです。
線香くさいのも結構好きです。

13〜15日の夜は、盆ちょうちんに明かりをともします。
盆ちょうちんって、ぐるぐる回りますよね。
走馬灯ってあんなかんじかなあ、とか思います。

16日の夜は、お寺で盛大に送り火を焚きます。
昔は、初盆の家は、海に(霊をのせた)小さな舟を流す儀式をしていましたが、
それも簡素化され、“寺で盛大な送り火”という儀式になりました。
檀家中の霊を送るわけですから、お坊様も大変ですよね(^^;

というのが、うちのお盆です。
皆様のお盆は、どんなお盆だったのでしょうか?

写真は、地元に近い山、大山(だいせん)です。
古くから山岳信仰の対象となってきた山です。
今でも大山に行くと、怖いものではありませんが、なんとなく霊めいた気配を感じます。

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